幹細胞の仕組み

「幹細胞」という言葉聞いたことはありますか。

私たちの体は、約60兆個、200種類以上もの細胞が集まって作られています。

各細胞は細胞ごとに役割を担っていて、筋肉の細胞、神経の細胞という具合です。

では幹細胞とは一体なんでしょうか。

幹細胞の働き

もともと人はひとつの受精卵から細胞分裂を繰り返し人になります。

その過程において、分化という、それぞれの細胞がそれぞれの役割に適した形や機能を身に着けていくのです。

そして、約60兆個の細胞へと増殖していきますが、中には決まった役割を持たず、臨機応変にいろいろな細胞になることができる細胞が存在します。

七変化ができる細胞が「幹細胞」なのです。

幹細胞は、幹細胞が七変化できる能力である多分化能と、自分と全く同じ能力を持つ細胞をコピーできる能力である自己複製能を兼ね備えた、素晴らしい細胞なのです。

例えば、病気やケガをして傷つき失われた細胞に集まり、分化や分裂を繰り返して、失われた細胞を再生して補うのです。

組織の機能を回復させるという重要な働きをしています。

医学の分野でも活躍する幹細胞

医学の分野では、糖尿病患者が合併症を併発するため、糖尿病に対する根本的は治療法が研究されています。

糖尿病の一つの治療法として、他人の脾臓を移植する方法があります。

しかし、脾臓特有の性質から、ドナーの確保や移植後の高額な免疫抑制剤の使用が不可欠ではありますが、免疫抑制剤が代謝を低下させてしまう副作用もあるのでです。

そこで脾臓移植に代わる治療法として、幹細胞移植が治療に役立ちます。

移植先の脾臓に順応する性質を持つ安全な幹細胞を移植することで、糖尿病の治療に役立っています。

脳内にある神経幹細胞を解析し、アルツハイマー病やうつ病の医療や薬開発に役立てるための研究を行ってきた、幹細胞高額研究センターの報告によると、生体神経幹細胞が脾臓の分化制御因子群にとても類似していることを発見しました。

さらに研究を重ね、幹細胞細胞を脾臓で機能させる細胞の代わりとして利用できる医療技術につながり、糖尿病治療の脾臓移植に代わる再生医療が開発されました。

このように幹細胞は、人の体に重要な役割を果たす、万能細胞なのです。

幹細胞の研究

幹細胞は再生医療に利用するために、現在も研究は進められています。

大きく分けて「ES細胞」「iPS細胞」「成体(体性)幹細胞」の3つに分類されています。


【ES細胞】
私たちの体を構成するすべての細胞になれる万能性を持っています。

この幹細胞の能力は、再生・移植医療へ応用が利くのではと大変期待されています。

多くの研究機関が研究を重ねていますが、受精卵からES細胞を取り出したり、卵子から人工的にES細胞を取り出したりする研究は、画期的ではありますが倫理的に問題があるとされ、推奨される研究とはいえないという問題があります。


【iPS細胞】
皮膚や血液から採取した細胞に特定の遺伝子を入れ、すでに特定の役割を持つ細胞を、前段階のさまざまな細胞になれる状態にもどした幹細胞のことをiPS細胞といいます。

ES細胞と同じく患者本人の細胞から作るため拒絶反応を起こす心配がありません。

受精卵や卵子をつかわずに作れるため、ES細胞のような問題もありません。

しかし、採取した細胞を遺伝子操作する過程があるため、安全性を実証する課題が残ります。


【成体幹細胞】

生体幹細胞は、人の体のさまざまな箇所に存在する多様性の幹細胞です。

これまでの2つの幹細胞との違いは、自分の細胞そのものを用いるため、安全性、倫理性、遺伝性において問題がないとされています。

皮下脂肪にもたくさんの幹細胞が存在するので、簡単に抽出することができます。

生体幹細胞は乳房再建手術などの形成外科的な組織の再建施術や、スポーツ選手のヒザ軟骨再生施術、シワの改善などの美容施術など、世界中で実用化が進んでいます。

幹細胞の種類

幹細胞は大きく分けて、「受精卵」「ES細胞」「成体(体性)幹細胞」の3つに分けられます。

この3つの分け方は、どんな細胞に分化できるか能力の違いで「全能性」「万能性」「多能性」の3つに分けられています。


【受精卵(全能性)】
どんな細胞にもなれる能力(全能性)を持っているのは、受精直後から役2週間後の受精卵だけで、生命の源です。

受精卵は胎児にも、胎児を育てる胎盤にも、生命に係わるすべての細胞になることができるのです。


【「ES細胞」(万能性)】
受精卵は、2週間を過ぎて増殖・分化が進むと、胎児になる部分とそれ以外の内臓などの器官になる部分に分かれていきます。

胎児になる部分をES細胞と呼び、この細胞は私たちの体を構成する全ての細胞になれる(万能性)のです。

  • 【「成体(体性)幹細胞」】

ES細胞は胎児になっていく過程で、体を構成していくため、消滅していきます。

その後は特定の系列の細胞だけ分化ができ「多様性」という能力を持った成体幹細胞に変化していきます。

この成体幹細胞は体のさまざまな箇所に存在して、赤血球や白血球、血小板など、血液の細胞になれる「造血幹細胞」や、神経の細胞になれる「神経幹細胞」など、多種多様な細胞に変化することができます。

幹細胞培養液

幹細胞そのものを使う研究がされていますが、また違った視点から幹細胞を使った研究がされています。

幹細胞培養液を使った再生医療です。

幹細胞培養液というのは、幹細胞を培養するときに、幹細胞が分泌する成分のこと。

この成分には数種以上のタンパク質成分が含まれています。

サイトカインと呼ばれる細胞活性のカギとなる情報伝達物質が豊富に含まれているのです。

そこで注目されているのが、サイトカインの特性を活かした化粧品成分のEGFやFGFなどの成長因子(グロースファクター)です。

一般の細胞を培養した場合と比べ、幹細胞は多くの成分を分泌するのは、幹細胞独自の機能といえます。

さらに幹細胞培養液には、幹細胞が分泌する成分が入っていますが、幹細胞自体は入っていないので、倫理的な問題や遺伝子の問題はありません。

この成分が世界で注目を集めている再生美容コア成分なのです。

幹細胞は再生医療の研究から、美容の分野に大きく貢献しているのです。幹細胞を自在に操れれば、美容にきくということが分かりましたね。美容を気にするなら、これからは幹細胞培養液に着目です!