高校や大学の受験は何となく分かるけど、中学受験はあまりピンと来ないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
文部科学省の令和元年度学校基本調査によると、全国の中学生で私立中学に通う割合は7.4%。地域差はあるかもしれませんが、大半の子たちは、そのまま地域の中学校に通うことになります。
周りの友達の事を考えるとその方がいいのかなと思うかもしれませんが、実は私立中学に通うメリットも大きいんです。
どんなメリットがあるのか?また、デメリットもある?そんなみなさんの疑問を調査してみました!
私立と公立、どちらに通うのが正解というのはありませんが、それぞれの家庭と子どもの考えに合った学校選びができるといいですね。
私立中学のメリットと デメリットとは?
私立中学と聞いてまず、「お金がかかりそう」というイメージが多いかと思います。
これはデメリットに入りそうですね。
それでも私立中学を選択肢に選ぶ家庭も多いのは、お金をかけてでも行くメリットがあるからです。
早速、私立中学全般に言える”メリット”と”デメリット”を見ていきましょう。
私立の中学校のメリット
・建学の精神や教育方針が明確
私立中学は、その学校がどの様にして建学されたのか、どういう教育方針の元学習ができるかが明確です。
そのため、子どもの興味や将来に即した学習が出来るかどうかが分かった上で、通うことができます。
将来、やりたい事が決まっているお子さんにとっては、嬉しいポイントですね。
・高校や大学の受験が免除されることも
中学受験を実施しているだいたいの学校が、中高または大学まで一貫しています。
そのため、中学受験さえ乗り切れば、高校や大学の進学については、ピリピリした受験勉強をする必要なく、学内のテストを受けてそのまま進学が可能になります。
受験勉強をする必要が無い分、お子さんが興味のある事に専念しやすくなりますね。
・施設が整っている
公立中学とは異なり学費が発生する私立中学では、図書館やカフェテリアも含め、学内施設が整っているところがほとんどです。
豊富な書籍と、常駐の司書がいる図書館があれば、勉強がはかどりそうですよね。
学内の環境が整っていることは、通わせる親としても子どもを安心して預けることができます。
・いじめ対策に力を入れている
公立中学でもスクールカウンセラーを設けている学校はありますが、常駐ではなく非常勤で週に1~2回程度と、相談したくてもなかなか出来ないのが現状です。
私立中学では、いつでも相談できるよう常駐のスクールカウンセラーが配置されていたり、いじめがあった場合、いじめた子を強制退学させたりと、強固な対策を行っているところもあるようです。
多感な思春期なので人間関係がこじれることはあるかと思いますが、それでも学校側でちゃんと対策をしてくれることが分かっていれば、より学習に専念できますね。
私立の中学校のデメリット
・経済的な負担が大きい
公立中学は学費が無償なのに対し、私立中学では学費はもちろん、通学にかかる費用などもさらにかかってきます。
その額は公立中学の約3倍!
私立中学によっても年間にかかる金額は異なってきますので、事前にしっかりチェックしておきましょう。
・友達つくりは一から
公立中学だと、決まった地域の子どもが通うため、小学校からの友達と同じ中学ということは珍しくありません。
そのため、自分は中学受験をするがために、友達と離れ離れになって悲しい思いをすると感じることもあるかもしれません。
特に親が中学受験を望む場合、そのあたりも子どもと話し合って決めた方がよさそうですね。
・価値観が偏ることも
同じような家庭環境の子が集まりがちな私立中学に対して、公立中学は様々な家庭事情の子どもたちと生活することになります。
そういった意味では、いろんな人と触れ合う公立中学とは違い、価値観が偏りがちになるかもしれません。
中学から私立は金持ちなのか?
筆者自身も、私立中学=お金持ちというイメージを持っていました。
そこで、実際に私立中学に通う人を調べたところ、そのイメージ通り!お金持ちはやはり多いようです。
学校に来る車はベンツやアウディなどの高級車、子どもに親の職業を聞いたところ、自営業や大企業の役員であることも多いそうです。
ただここで朗報が!
私立中学に通っている子の中には、ごく普通の家庭の子どもが通っていたり、一人親の子どもも通っていたりと、バックグラウンドは実は様々だそうです。
その理由の一つに、市町村からの補助金があるそうです。
年収制限はありますが、授業料などの補助金が出るので、これを上手く活用すれば、ごく普通の家庭でも私立中学に通わせられる様になっています。
それでも、中学からお金をかけるのは気が引けるという方は、一度中学~大学までの長期スパンで考えてみてください。
公立中学・高校を卒業して、大学は私立大学に行くとなると、結局大学で多額のお金が必要になります。
それなら、学費はかかるけど補助金の利用や塾費用等の節約をして私立中学を選んだ方が、高い教育水準の元勉強が出来るので、学費が抑えられる国公立大学への入学の道がぐんと近くなります。
この様な考え方で私立中学を選ぶ家庭もあるそうなので、私立中学に通う=お金持ちという事は必ずしも言えないようです。
平均世帯年収は?
私立中学に通う子どもの親の平均世帯年収は、5割以上が1000万円以上と言われています。
残りの5割は年収1000万円以下、さらにその2割は800万円以下の家庭もいるそうなので、そこまで年収にこだわる必要はありません。
私立中学に通わせるお金を年間100万円ほど捻出できれば、年収に限らず、通わせることが出来ます。
また、家庭の年収によって、市町村から私立中学の学費等の補助金が出ることもあるので、授業料の足しにすることも可能です。
普段の生活には倹約が必要になってくるかもしれませんが、将来やりたい事があってどうしても私立中学に行きたいお子さんは、補助金を上手く活用してみてください。
また、最近の傾向では、私立高校の募集を停止している学校も多く、中学で私立を受験する方が選択肢が多くなります。
私立だと中高一貫の教育がほとんどな為、学習要綱が決まっている公立中学とは異なり、学校独自のカリキュラムで授業を進めて行くことが出来るので、より良質な教育が受けられるます。
学生達も、学習意欲の高い子が多いため、刺激の多い環境の中で学習に集中できそうですね。
この様に、絶対に〇〇万円以上の年収じゃなきゃいけないという事はありませんので、自分の家の年収だと、受けられる補助金あるのかな?という感じで見ていただければいいかと思います。
まとめ
私立中学には公立中学と比較してこんなメリットとデメリットがあることが分かりました。
メリット
・建学の精神や教育方針が明確
・高校や大学の受験が免除されることも
・施設が整っている
・いじめ対策に力を入れている
デメリット
・経済的な負担が大きい
・友達つくりは一から
・価値観が偏ることも
私立に通わせる家庭は平均世帯年収が1000万円以上のお金持ちは多いようです。
それでも、残りの半数は1000万以下のごく普通の家庭の子どもたちが通っていることになるので、年収面で諦める必要はまったくありません。
むしろ、補助金などを上手く利用して、節約できる部分は家庭で節約することで、私立中学入学も夢ではありません。
あとは、メリット・デメリットと家庭の事情を考慮して、ぜひお子さんと一緒に検討してくださいね。
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